ベンチャーキャピタルからの資本調達方法2

磯崎哲也さん池田信夫さんのやりとりが盛り上がっていますね。


投資と融資の違いうんぬんは、さておき、
日本において、VCからの資金は十分かという話が印象に残りました。


isologue - by 磯崎哲也事務所: 「ベンチャー企業」のための資金調達入門
http://www.tez.com/blog/archives/001189.html

一方、前述の通り、「投資」を受けている企業は(VC本体投資とファンドが完全に重複しているとして少なめに見積もっても)8000社程度もあるわけで、それらの会社に1社平均1億円ものお金が流れているわけです。


うちの場合は、30社強に投資し1社あたり3千万円〜5億円の投資をしています。平均値は磯崎氏ご指摘の通りざっと1億円程度ですね。ただ、通常ベンチャー企業は複数のVCから資金調達していますので、ベンチャー企業1社当たりの調達総額はその数倍以上と思います。上記の8000社という数字にも、かなりの重複が入っているかもしれません。「VCからの資金調達は難しい」という印象が強いので、1社1億円という数字は意外に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、VCは魅力的なベンチャー企業なら土下座してでも投資したいものです。投資を受けられないというのは、「事業計画に魅力が無いor実現性が不十分」ということだと思います。


VCと言っても一概に言えず、銀行系、政府系、事業会社系、独立系など、それぞれのバックグラウンドで投資性向は異なるようです。重箱の隅をつつくようなチェックをしてくる所もあれば、割と大胆にリスクテイクしてくる所もあります。また、ファンド設立時期やファンド残高によって、出したくても出せないことがありますので、タイミングが悪いと「VCは渋いなあ」という印象を受けることもあると思います。多くのVCは横並び意識が強いので、どこかが投資に踏み切ると、うちもうちも、という感じで他が続きます。また、資金繰りを気にして、他から○億円の調達見込みがつけばうちも出すという条件をつけてくるVCもいます。


日本ではリスクを取りたがらないVCが多く、アーリーステージへの投資はなかなか集まりません。ここが「VCからの資金調達は難しい」と言われるゆえんと思います。まずは、3F(founder, famili, friend)の資金で立ち上げて、エンジェルから資金を集め、公的資金もうまく使いながら(あまり依存すると抜け出せないですが)、製品開発にメドをつけ、事業計画の実現性を高めてからVCにアピールすると成功確率は高くなると思います。王道すぎてつまらない答えですが。